物忘れの激しい山羊が日々思うことを忘れないうちにアーカイブしていくブログです

2013年3月19日火曜日

angora


トルコのアンカラを原産とするこの山羊は、モヘヤという高級な繊維を生産するため、モヘヤ山羊としても知られています。

毛並みは細く柔らかな長毛で、染料にも染まりやすく光沢のあるその上質な体毛は値段にしてウールの7倍以上もします。

毛用種の中でもカシミアと並ぶ人気を誇るこの山羊は、古くは聖書編纂の時代の記録にもその存在が記されているほどですが、
トルコ以外の国で飼育されるようになったのは、実は19世紀以降でした。
13世紀頃、チンギス・ハンにより山羊がトルコに持ち込まれて以来、モヘヤは長い間トルコの主要産業でした。
19世紀に入ると、モヘヤの需要は世界中で高まり、アンゴラ山羊の輸出が望まれていました。
しかし1838年に南アフリカでの飼育に成功するまで、スペインやフランスにも輸出はされましたがうまくいきませんでした。
その間トルコではアンゴラ山羊の生命力向上と大型化のためにせっせと異種交配による品種改良が進められていました。

1849年にアメリカにアンゴラ山羊が渡ると、アンゴラ山羊の飼育は更に世界中に普及すると思われましたが、
寒さや湿気、そして寄生虫に弱いアンゴラ山羊は繁殖が難しく、気候風土の合った一部の地域でしか飼育できませんでした。どんまい。
現在でもモヘヤはトルコ、テキサス、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、ケニア、レソト、アルゼンチン、
そしてイギリスの一部地域で生産されるに留まっています。
現在最大のモヘア産出国はアメリカと南アフリカです。

アンゴラ山羊の毛は上毛と下毛に分かれておらず、一年中もっしゃもしゃのモヘヤが生え続けます。
そのためトルコ以外の地域では年に二回毛を刈るのですが、常に毛の生えた状態に適応したアンゴラ山羊は
毛のない状態では非常に寒さに弱く、毛刈りの時期に嵐などが起こると深刻な被害を受けてしまいます。
特に仔山羊は生まれてから数日間は保護を必要とします。

アンゴラ山羊は山羊の中でも比較的身体が小さく性格も落ち着いていて温和です。
雌雄両方に角があり、雄の角は大きく、ゆるやかに螺旋を描きます。
雌の角は雄のものより小さく、雄ほどねじれません。
耳は重たく、垂れ下がっています。
羊よりかわいいです。(主観)

因みに肉は「羊ほどうまくないがまぁ食える程度」だそうです。

http://en.wikipedia.org/wiki/Angora_goat
http://kotobank.jp/word/アンゴラヤギ
http://www.ansi.okstate.edu/breeds/goats/angora/
http://www.allgoats.com/breeds3.htm
http://www.teddyteddy.jp/page117.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/モヘヤ
http://sfp.ucdavis.edu/pubs/brochures/ANGORA/

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