物忘れの激しい山羊が日々思うことを忘れないうちにアーカイブしていくブログです

2013年3月24日日曜日

spanish


スパニッシュ種は知名度と人気の高いとてもポピュラーな種です。

16世紀頃、スペインの探検家たちは山羊をカリブ海の島や、後のアメリカ、そしてメキシコとなる土地に持ち込みました。
テキサスの農家の間で羊の飼育が流行していた頃、体が丈夫で木の葉を好んで食べるスパニッシュは
農地の整地や邪魔な植物の除去に活躍しました。
羊や牛にとって有毒な植物でも、スパニッシュは平気で食べてしまいケロッとしていました。
1800年代にアンゴラ種が輸入されるようになると、モヘヤの需要もあいまって、
大規模なアンゴラブームが沸き起こり、多くのスパニッシュが「失業」しました。
しかし、とある需要からスパニッシュが完全に駆逐されることはありませんでした。
冷蔵庫がまだ無かった当時、体が小さいスパニッシュは屠殺してから腐るまでの間に食べきることができたので、
肉用種として重宝されたのです。
なんと不憫な。

1960年代にモヘヤ産業が衰退すると、スパニッシュの肉用種としての需要が高まってきました。
正確には、鉄道が引かれて輸送網が整備された為に山羊肉の需要に対応しやすくなったのです。
1990年にはテキサスだけで純血のスパニッシュが2万8千頭もいました。
しかし、より大型で肉用種として適正が高いボーア種が輸入されると、
肉用種としてのスパニッシュの人気も衰退することになります。

それ以降のスパニッシュ種は、環境への適応力や頑健さを買われ、品種改良に利用されることが多くなりました。
スパニッシュ種との交配は効果が非常に大きいため人気があり、あまりにも頻繁に交配が繰り返されるので純血の
スパニッシュが激減し、いつのまにか肉用、毛用に改良されたスパニッシュも含め、「スパニッシュの血を引く山羊」が
全て「スパニッシュ」と呼ばれるようになってしまいました。
2009年の時点で純血のスパニッシュは全世界で8500頭にまで減少しました。
現在では純血のスパニッシュはAmerican Livestock Breeds Conservancyにより優先保護対象に指定されています。
どこまでも不憫な。

スパニッシュ種は通常短毛ですが、長毛の血統も存在し、特に上質な下毛(カシミア)を多く生やすものは
いわゆる「カシミア山羊」としても知られています。
スパニッシュ種の乳房は小さく、茂みや複雑な地形でも行動できる代わりに、乳用には向きません。
鼻筋はかすかに出っ張っていて、耳はほどほどに長く水平にのびています。
角は大きく、一旦上へ伸びてから横方向へ捻れながら伸びる特徴的な形をしています。

気質は大人しく、人間によく慣れるのでペットとしても人気があります。
体が丈夫でおよそ植物ならなんでも食べるので、あまり手がかからないことでも知られています。

スパニッシュ種はあまりにもアメリカ人の生活に馴染みすぎたため、純血種も混血種も一緒くたに
「brush goat」や「scrub goat」(茂みを掃除する山羊)とも呼ばれています。
これは純血種の発見を困難にするため、純血種の保護を旨とする団体の悩みの種にもなっています。

http://en.wikipedia.org/wiki/Spanish_goat
http://www.ansi.okstate.edu/breeds/goats/spanish/index.htm
http://albc-usa.org/cpl/spanish.html
http://www.spanishgoats.org/index.htm

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